「俺から奪おうとか、思わねぇのかよ」

「思うわけねぇだろ!親友バカにすんなよ!!中学の時からお前と苦楽を共にしてんだぞ……っ」

っ……親友だから。

たったそれだけで、自分の恋よりも俺と澪桜のためを思ってんのか?

んだよ、それ……。

「お前……バカなんじゃねぇの?」

「なっ……」

「澪桜を好きだからって、俺との関係壊れるわけじゃねぇのに……ホントバカな単細胞だなぁお前」

「っ……うっせぇよ!」

でも……おかげで少し元気になった。

「居場所特定しました」

「っどこだ!?」

探偵と父さんの声がリビングに響いた。

澪桜は……澪桜はいまどこに?

「澪桜さんは日本になんかいません。ここは……アメリカの首都、ニューヨークです」