「ま、まだ正式に婚約したわけじゃ……」

なんで父さんも母さんもにこにこしてんだよ!?

「あらぁー全然いいじゃないの。仲を深めるためにも同棲は付き物よ?それに、早くからお互いのことを知った方がいいでしょう」

た、たしかに……。

「澪桜はどうしたい?」

「えっ……」

今まで、自分の意見すら持てなかった澪桜。

そんな澪桜にこんな質問をするのは酷だと思う。

でも……俺は他でもない大橋宮澪桜のことを知りたいから。

澪桜は少し瞳を揺らがせると、

「八城くんが嫌じゃないなら、全然……」

と言ってくれた。

「じゃー同棲する」

「澪桜ちゃん〜ゆくゆくは八城澪桜になるんだから下の名前で呼んだら?」

「へっ……!?」