「ちょ、丈!」

「澪桜が望んでんのはお前だけなんだぞ!あの子を助けれんのは廉だけなのに、そんなお前がうじうじしててどうすんだよ!」

「丈……」

そうだ。

今は余計なこと考えてる場合じゃない。

後悔したって、もう遅いんだ。

「……もう一度、あの一家から澪桜を助ける」

大橋宮家に戻ることは、澪桜の本望じゃない。

「丈サンキュ……頭冷えた」

「ったく……しっかりしろよ」

それからすぐに探偵がやって来て、大橋宮家の居場所を電波を使って調べてもらった。

「電波が悪い場所にいるのはわかったんですが、確実な居場所を突き止めるのはまだ時間がかかります」

っ……はやく、澪桜を助けねぇと。

──プルルルルップルルルルッ。