ふざけんなよまじでっ……。

「ねぇ!私を見てよ!」

「っいい加減にしろよ!俺が好きなのは澪桜だけなんだ!」

たとえ今は沙織の婚約者でも。

それでも、俺はずっと澪桜が好きなんだよ。

「なんでっ……!?私の方がずっとずっと廉のこと知ってるもん!廉が好きなんだもん!」

「おい、お前いい加減にしろよ!これ以上廉と澪桜ちゃんに関わんな!」

丈……。

周りにみんないるのに、沙織は見えてないみたいだった。

「うるさいっ……!」

──ドサッ!

俺を押し倒して覆いかぶさった沙織。

その瞳は、涙で溢れてて。

「……俺らはもう終わったんだぞ」

沙織が留学する前、とっくに。