「澪桜ちゃん……」

「こんなこと、迷惑だってわかってるの……っ。だけどあたし、廉くんが好きっ……。廉くんのそばにいたいって思うのは……わがまま、かなぁ……っ」

触れれば触れるほど、離れがたくて。

澪桜って、また優しい声で呼んで欲しい。

お母様やお父様、舞桜からの愛は諦められた。

でも……無理なの。

どう頑張ったって、廉くんのことは諦められないんだ。

「わがままでいいんだよ、澪桜ちゃん」

「え……?」

ぽんっとあたしの頭に手を置いた丈くん。

「それだけ廉が好きなんだろ?いいじゃんわがままでもなんでも!絶対、その想いは廉に届いてるから」

廉くんに……。

「だから……大橋宮家に戻るなんてことすんなよ。廉が悲しむ」