な、なにか変なこと言ったかな……?

「それ、マジな話!?」

「え、うん。マンションであたしのこと待ってて、お部屋に入れてお話して……」

「部屋に入れたのかよ!?」

「だってあのマンションは八城財閥のだから、廉くんの婚約者である沙織さんを拒否する権利あたしにはないもの」

マジか……っと落胆する丈くん。

なんだか……懐かしい。

丈くんがいつもうるさくしたら、廉くんと言い合いが始まって。

あの頃に……戻りたい。

「……澪桜ちゃん?」

「っあ……ご、ごめんね」

ポタッと流れてゆく涙。

ずっと、我慢してたのに……。

「どう頑張っても……無理なの。廉くんを思えば思うほど、想いは募っていくばかりなの……」