「まぁ、これはあくまで提案だから。どうしたいかはゆっくり考えるといいわ」

沙織さんは用が済んだのか、立ち上がって玄関の方に向かう。

あたしも向かえば、沙織さんは靴を履いてあたしを見た。

「それじゃあ、お身体にはお気をつけて」

「え……」

沙織さんはクスッと微笑むと家を後にした。

お身体にはお気をつけて……?

まさか……あたしが入院してたこと知ってる?

いや、まさか……ね。

「……考えるのやめよう」

大橋宮家に戻る、か。

あたし……この先どうすればいいんだろ。