放課後、みんなが帰った後先生とふたりになった。

舞桜のことといい、廉くんのことといい、そりゃ呼び出されるよね……。

「……大丈夫か?先生心配なんだが」

「え……」

「八城財閥は味方にすればそりゃ強い。でも敵に回したら恐ろしいんだ。大橋宮は前と違って、財力がないんだから」

う……たしかに。

あたし、今更だけどとんでもない人と付き合っていたんだ。

……付き合っていた、か。

「あたしは大丈夫ですよ。もう帰ってもいいですか?」

「大橋宮が大丈夫ならいいんだ。気をつけて帰るんだぞ」

先生にペコッと頭を下げて教室を出た。

なんの財力もないあたし。

何も持ってない。

あたしは……廉くんに縋りついてただけなのかな。