このままあの女の好き勝手させるわけない。

必ず、廉はこの子のもとに戻ってくるから。

だからっ……。

「……丈くんが言うなら、わかった」

っ……。

澪桜ちゃんは無理して笑みを浮かべた。

「みんな、もう帰っていいよ。ごめんね、あたしが起きるまで付き添わしちゃって……」

「いいんだ。安静にするんだぞ」

「澪桜……また明日来るね」

「じゃあ……俺らもう行くな」

最後の最後まで、澪桜ちゃんは無理して俺らに手を振った。

病室を出れば、しゃがみこんで静かに涙を流す廉がいて。

「……廉、このまま終わりにすんの?」

ぶんぶんっと首を横に振る廉。

ゴシゴシっと涙を拭って立ち上がった。

「でも……これが澪桜のためなんだ」

でも……このままだとふたりとも破滅するだけだろ。

廉にも澪桜ちゃんにも、お互いがいないとダメなのに……。