【丈side】

なんでふたりがこんな……こんな思いをしなくちゃいけねぇんだよ!

ガシッと澪桜ちゃんの肩を掴んだ。

「っ丈くん?」

「重荷なんかじゃねぇよ!」

澪桜ちゃんは、廉にとって特別で。

最初から……今も。

「今の澪桜ちゃんにこんなこと言うの酷かもしれねぇけど……頼む、アイツを嫌いになんないで」

「丈……」

「お前……」

自分のことを降った男を嫌いになるななんて、本当なら最悪だ。

でも……。

「嫌いになんて……」

「頼む……っ。こんなこと言う権利ねぇけど、廉への想い消さないでくれ」