「違う!」

「沙織さんの言う通り、あたしには何もないから?」

「違ぇよ!!」

病室に廉くんの声が響いた。

じゃあ、なんで……?

「もう……飽きたんだよ」

っ……。

「もう澪桜と一緒にいれないんだ」

や、だ……っ。

廉くんと、別れたくないっ……。

でも……もっと嫌われたくない。

「……わ、かった」

これ以上、廉くんを縛りつけたくない。

せめて最後くらい……迷惑かけたくないよ。

「これからのことは退院してから話そう。今日はもう帰る。……安静にしろよ」