「丈、落ち着け」

澪桜の眠っている場所で騒ぎは起こしたくねぇ。

「さぁ、廉。選んで?私と婚約して澪桜さんと別れるか、私を捨てて澪桜さんが死ぬか」

っ……。

ギュッ、と澪桜の手に力を込める。

「廉、こんなバカバカしい条件のむな!」

「廉……っ」

「……」

俺が、大人しくこの女と婚約すれば……澪桜はもうこれ以上痛い思いせずにいられる。

手離したくない……こんなにも、好きなのに……っ。

「それが、澪桜のためだっていうなら……っ」

俺は……恋をしちゃいけなかったのか?

澪桜を幸せに、なんて……甘かったのか?

「俺は……澪桜を守る選択をする」

自己中だってんなら……せめて、守るくらいはさせてくれ。

俺がいたら、澪桜は……死んでしまう。

ごめん………澪桜。