なんでこんな俺に執着してくんだよ……。

「ねぇ廉〜、いい加減澪桜さんと別れてよ」

「ふざけんな。俺が澪桜を手放すなんて死んでもねぇよ」

そう言えば、ニヤッと口角を上げた沙織。

何が目的なんだよ。

「そんなに澪桜さんが好き?」

「当たり前だって」

「ふぅん……じゃあ、澪桜さんのためならなんでもできるんだ」

「……あ?」

「私の言うこと聞かないと、澪桜さん死ぬよ?」

……どういう意味だよ。

「てめぇ、なに企んで……」

──プルルルルッ、プルルルルッ♪

突然鳴った電話。

伊代からか?

「もしも、」