放課後、丈くんとアジトに向かう。
「廉、あれ相当疲れてんなぁ」
「最近遅く帰ってくるんだ。昨日もあたしまた寝落ちしちゃった……」
「まぁ澪桜ちゃんの寝顔もあいつにとってはご褒美だろ」
そんなことはないと思うけど……。
「知ってる?あいつのスマホのアルバム澪桜ちゃんしかいないの」
「えっ?」
秘密だよ、と口元に人差し指を添えた丈くん。
ふたりはほんとに仲がいいな。
「丈くんは、廉くんのことなんでも知ってそう」
「当たり前だろ〜?中学からの親友だし」
「だからほんの少し羨ましいんだ」
「え?」
昔の廉くんを、あたしは知らないから。

