「丈、澪桜に変な虫つかねぇようにしろよ」

「言われなくてもするわ!」

あまり廉くんと過ごせる時間が少なくなってくる。

社長になるってことはそういうこと。

絢さんは……正樹さんといつも一緒にいるけど離れてた時期とかもあるのかな。

「澪桜、なんかあったらすぐ連絡しなよ」

「もう、なにもないよ。夜ご飯なにがいい?」

「今日遅くなっちまうから父さんと食う。はぁ、澪桜の飯が食いたかった……」

廉くんお疲れだな……。

「ほんとお前澪桜ちゃんのこと好きだよなぁ」

「当たり前だろ。澪桜は可愛い」

「廉くん……あたし言うほど可愛くな、」

「可愛い」

……黙っとこう。

あたしも廉くんとの時間が減って寂しいんだよね。

これから、増えていくんだよね……こういうこと。