「私は鮎川沙織。鮎川財閥の令嬢よ」

「っあの鮎川財閥の……」

そうよ、最初からこうすればよかったんだ。

あの女を廉から引き離せばいい。

恐怖のどん底に落ちて、廉のことを忘れさせればいいのよ。

あぁ……どうしよ、楽しくなってきちゃった。

「そうと決まればすぐに会議よ。親はどこ?」

「ホテルよ。一緒に行きましょ」

大橋宮澪桜……。

廉の隣にいられるのもあと少しよ。

あんたからなにもかも奪ってあげる。

廉も、名前も、仲間も八城財閥も!

ぜーんぶ私だけのものなんだから……。