「なんであいつ?」

きっと名前を出すことすら澪桜にとって嫌だろ。

でも、澪桜がなんでも隠さず話してくれることに嬉しく思ってしまう。

「なにかを探してたから……」

あぁ、そういうこと。

「澪桜があまりにも花に夢中になるから、黒百合探してたんだよ」

「へっ」

「やっぱりジンクス気になるし、ないかなぁって」

「そ、そうだったの?ごめんね、あたし勘違いしちゃって……」

なにもそんなに自分を責めなくていいのに。

「もっと俺でいっぱいになって」

「っ……お、怒らないの?」

「澪桜に怒るなんて死んでもないよ」

こんな可愛い子怒れるわけない。

それくらい、俺は澪桜に惚れ込んでるんだから。