そういえば……澪桜になにも教えてなかったな。

澪桜と花畑を歩いて黒百合を探しながら話す。

「血液型はA型だな。澪桜は?」

「あたしO型」

「澪桜の誕生日知りたい」

こんな情報、ネットで調べたりでもすればすぐわかるのに。

そんなことせずに俺のことを知ろうとしてる澪桜が愛しく感じる。

「あたしは……」

そこまで言って、澪桜の顔色が変わった。

まるで嫌なことを思い出すかのようで。

「……3月1日」

同じ冬生まれか。

きっと大橋宮で嫌なことをされたんだ。

「じゃあ澪桜の16の誕生日は盛大に祝おう」

「廉くんの誕生日も最高な日にするもん!」

子供っぽいとこを出してくる澪桜。