八城くんはきょとんとすると、すぐにいつもの綺麗な笑顔を向けてきた。

「澪桜は双子と似てないし、すぐに澪桜だって気づいたよ」

「っ……」

「もう声が出ないふりをする必要もない。澪桜は今日から俺の家に住むんだ」

よく、わからない……っ。

わからないけど、なんでか涙が止まらなくて。

「っ……ごめ、なさ」

「なんも謝んなくていい。帰ろう」

どうして……。

会ってまだ間もないのに。

あたしをあそこから連れ出してくれる手は、今まで感じたことないくらい温かかった。