「澪桜……デート中にそれは反則だわぁ」

「え?」

顔に繋いでない方の手をあてて、はぁーと長く息を吐く廉くん。

……?

「……よし、黒百合探すぞ」

「えっ、でも沙織さんないって……」

「あぁ、あんな奴信じてない。それに……俺と澪桜で見つけたいじゃん」

なっとあたしに笑いかける廉くん。

そうだ……諦めたくない。

「うん!探す!」

「あ、でもせっかく来たんだしいろんな花も見ような」

「はぁい」

この時、あたしはまだ知らなかった。


この日がきっかけで、沙織さんの火をつけてしまったことに。