お母様やお父様に向けられた視線と同じ……。

「一番邪魔なのはあなたよ?」

「っ……」

「おい!なに言って……」

「だってそうでしょう?廉に好かれて今は幸せ。でもよく考えてみて?あなた何の財力もないのよ」

あたしは……八城財閥の財力にはなれない。

むしろ今のあたしは八城財閥の力がないと生きていけなくて。

でも……。

『お前は大橋宮にとって邪魔者なんだ』

『舞桜だけでいいのよ』

何度も何度も言われた言葉が蘇ってくる。

何も……言い返せない。

「澪桜」

名前を呼ばれて我に返れば、優しい瞳をする廉くんと目が合って。

「まだ他の場所も見れてないし、行こ」