「よーし、黒百合探すかぁ」

……もしかして、照れてるのかな?

いつもあたしが照れる側だから、なんだか新鮮でうれしい。

「黒百合って1輪しか咲いてないのかなぁ」

「んーだとしたら貴重だよな。もし見つけたら写真撮ろうぜ」

恋の呪い。

そんな幸せな呪いは存在するのかな。

存在してたらいいな。

黒い百合なんて見たことがないけど……。

なんて思っていた、その時。

「れーん、やっと見つけた」

振り向けば、ニコッと微笑む沙織さんがいて。

っ……なんで?

「お前……なんでここにいんだよ」

「それは内緒だよ〜。そんなことより、廉ってお花嫌いだったよね?」

「えっ……そ、そうなの?廉くん」