初めて、あたしを見てくれた。

初めて、あたしに手を差し伸べてくれた。

あの日から変わらず隣にいてくれる。

そんな廉くんだから……。

「あたしの初恋、廉くんで幸せなの」

「っ…澪桜……」

「それにね」

辺り一面見渡せば、たくさんのお花に包まれてて。

お花畑に来た人たちみんな楽しそうで。

「こんなに楽しくて安心する夏休みも初めて。廉くんがあたしにたくさんの初めてくれるから、毎日が特別なの」

そう言うと、廉くんは目を見開いた。

廉くんが思ってる以上に好きなんだよ。

「本当澪桜のそういうとこ好きだよ」

「そういうとこ?」

廉くんはクスッと微笑むと、あたしの手を引いて歩き出した。

あ……廉くんの耳、赤い。