だけど、実の両親に存在を否定されて普通でいられるほどあたしは強くない……。

「そうですか。でも残念ですね……我々八城財閥は大橋宮舞桜さんは求めていません」

……え?

バッと顔を上げて正樹さんを見れば、ニコッと微笑まれた。

「っそれはどういう……」

「澪桜、俺と結婚しよう」

っ……嘘、なんであたしだってバレたの?

あたし、ただ自己紹介しただけだよね?

「な、何を言って……家に澪桜なんて子はいないですよ」

「同じ父親としてみっともないな。大橋宮財閥のことは細かく調べさせてもらったよ。双子の次女である澪桜ちゃんのことを操り人形のように扱い社会的に無いものとした」

すごい……どうしてそんなことを調べたんだろ。

探偵とか興信所?

どちらにせよ……八城財閥の方がはるかに上だからうちは逆らえない。