なんで!?

なんでと言われても……。

「廉くん風邪引いちゃうから……」

「澪桜があっためて」

ギュッと優しく抱きしめられる。

っ……。

「廉くん……っ」

体温が、ダイレクトにくる……っ。

ほんの少しだけ身体を離してあたしを見下ろす廉くん。

至近距離で目が合って、さらに鼓動が高まった。

「このまま……キスしたい」

「っ……」

「早すぎってわかってるけどやっぱ待てない」

脳裏に沙織さんとのキスが浮かんだ。

好きな人が他の女とキスしてるの見て冷静でいられるほどあたしは強くない。

だって……好きだから。