う……。

ここで肯定するべきか迷う。

でも、そっか。

これは舞桜のお見合い。

舞桜としてやり過ごさないと……。

「うちの息子はとても優秀でね。舞桜ちゃんがどんな子なのか知りたい」

「はい。うちの舞桜はなんでもこなす子ですね。できないことなんてこれっぽっちもない」

……嘘つき。

舞桜はピアノできない。

礼儀やマナーだって、きちんとできない。

「……大橋宮財閥は、一人っ子ですか?」

黙ってた八城くんがそう聞いた。

お父様は迷うことなく、

「そうですよ。舞桜は自慢の一人娘です」

……だめ、耐えてあたし。

いまは舞桜を演じるの。