【澪桜side】

「廉くんっ、これ着替え」

「あぁ、ありがとな澪桜」

帰宅してシャワーを浴びた廉くんに着替えを渡す。

廉くんは夏だからってよく上半身裸になる。

それにももう慣れた……けど、やっぱドキドキする。

「ふっ、澪桜……俺のこといま意識してる?」

「へっ!?」

あたしからもらった着替えを棚の上に置いてあたしに近づいてくる廉くん。

なんとなくで後退りをすれば、あっという間に背中が壁にあたった。

「なぁんで逃げんの」

トンっとあたしの身体の横に肘をついた廉くん。

っこれ……か、壁ドンじゃん。

「れ、廉くんっ……近く、ないですか?」

「俺から逃げるからじゃん」