両想い……。

「はぁ……もうあいつ絡んでこなきゃいいんだけど」

そう言う廉くんは心底うんざりしてて。

丈くんたちの雰囲気からして、あまり沙織さんはいい印象じゃない。

それにキスだってしてたし……。

でもやっぱ、どうしても気になる。

たぶん沙織さんは本気。

もしまたなにかあったら……廉くんはあたしのそばにいてくれるのかな。

この気持ちは誰にも負けないし負けたくないけど、不安になる。

「……お、澪桜」

「っあ、ごめんなさい……」

廉くんに呼ばれて我に返れば、いつもの優しい瞳を向けられた。

「話聞いてなかった？」

「う……うん、ごめん」