っ……。

こんなにも余裕のない廉くんを見るのは初めて。

──ガチャッ。

「廉くん〜濡れちゃったからタオル持ってきたわ」

はい、とタオルを廉くんに投げた絢さん。

雑じゃ……。

「サンキュ」

「ふたりとも急に来させて悪かったな。実際にふたりを見てもらった方がわかると思って」

あたしと廉くんを見て……?

正樹さんの言葉に首を傾げると、絢さんがふふっと微笑んだ。

「だってあなたたち、傍から見ればとっくに両想いなんだもの」

「っは……!?そう見えてんの!?」

「ま、マジですか……」

「まぁやっと両想いってわかったんだしいいじゃないの!」