2階に向かおうとすると、

「待ちなさい!」

伊代に腕を掴まれ止められた。

頼むから今は止めないでほしい。

「伊代、俺は澪桜が好きだ」

「知ってるよそんなの。でも、澪桜を傷つけるなら私が許さないから」

そう言う伊代の瞳は真っ直ぐで。

わかってる。

伊代の気持ちも、丈たちの気持ちも。

「俺は……澪桜を守る」

そう言えば、腕を離してくれた伊代。

慌てて2階に上がって部屋に入れば、

「澪桜!」

「っ、廉くん……」

ソファに座って泣いてる澪桜がいた。

一応鍵を閉めて澪桜に近づく。