あたしの口を手で塞いだ廉くん。

顔を見れば、少し困ったように眉を下げてて。

「花火大会楽しかった?」

それはもちろん。

こくんって頷けば、

「ならよかった」

嬉しそうに笑って手を離した。

楽しかったよ。

だけど……。

「もっと廉くんと花火見たかった」

「ほんと可愛いんだけど」

「だって邪魔されたから物足りない」

って、あたしわがままだ……。

「わがままでごめ、」

「ごめんはなーし。澪桜がわがまま言ってくれんの最高に嬉しいんだよ俺」

っ……好き。

「廉くんのわがままも聞きたい」