「昔みたく罰を与えるわ。当たり前でしょう?」

っ……。

昔、たった一度だけ舞桜の身代わりをして失敗したことがある。

その時は、窓もない真っ暗な部屋に閉じ込められたんだ。

ただただあたしの声だけが響いて、なにも見えないし誰も助けに来てくれない。

その日からあたしは暗闇が苦手になった。

失敗できない。

「……わかり、ました」

「澪桜〜頑張ってね」

「うん……」

「お見合いは明日よ。明日お見合い相手がくるから朝本家に来てちょうだい」

「はい」

ってことは、もうあたし今日は本家にいなくていいんだ。

「それでは、失礼します」

お母様とお父様に礼をして、本家を後にした。