こうして一緒にいてくれてるのに、気持ち悪いって思われちゃうよね。

「廉くんのこと起こさせちゃったよね、ごめんね」

「別に気にすることじゃないって。あ、寝れないなら少し夜風あたりにベランダ出よ」

ほらっ、と手を引かれて寝室に連れてかれる。

廉くん眠たいはずなのに……いいのかな?

寝室からベランダに出れば、夏の心地いい風が吹いた。

「なんか落ち着くかも」

「よかった。俺も目覚めたし付き合うよ」

「……廉くんホント優しいね」

こんなに優しくされたのも、あたしを大橋宮澪桜として見てもらえたのも初めて。

だからかな、廉くんの行動全部が嬉しい。

「たぶん澪桜だからだろうなぁ」

「……え?」

廉くんははにかむとあたしの頬に手をあてた。

っ……。