【澪桜side】

だめ……隣に廉くんが寝てると思うとなんか全然寝れない。

廉くんが起きないようにそっとスマホを見れば、もう夜中の1時だった。

喉乾いたし、飲み物飲もうかな。

ゆっくり起き上がってベッドから降りて、寝室を出てリビングに向かう。

ふたりで暮らし始めてから随分経ったけど全然不満とかもない。

廉くんとは家事分担してるし、ほぼ毎食一緒にご飯作ってるし。

「……伊代ちゃんに相談しようかな」

『澪桜はかわいい女の子なんだ!』

今まで要らないものとされてきたから、あんな風に言われたの初めて。

思えば廉くんは初めて会った時からあたしのそばにずっといてくれた。

コップに冷たいレモンウォーターを入れて、電気もつけずにソファに腰をおろした。

マンションだし高いから、月明かりで充分。