【廉side】

帰りの車の中。

「……」

「……」

「……」

俺ら八城家はある拷問に耐えていた。

助手席に乗る父さん。

俺の隣にいる澪桜の隣に座る母さん。

肝心な澪桜はというと……。

「んん……すー……」

俺の肩を枕にして完全に寝てしまってる。

そう、可愛くても声に出せないこの可愛さ。

「澪桜ちゃん、相当疲れたんだな」

「そうね〜私もハラハラしたんだから」

なーにがハラハラだよ。

澪桜の隣でこっそり楽しんでたくせに。

家に到着しても起きそうにない澪桜。