夏。

 暑くて、セミがうるさい。

 そう、彼は言う。



「莉璃羽はどう思う?」



 窓から風が入ってきて、プラチナブロンドが揺れる。



「嫌いではないけど……悠くんは嫌いなの?」



 夏が嫌いなんて、悠くんから聞いたことないよ。

 

「そうだね。ほら……莉璃羽が日焼けしちゃうし」



 風に吹かれる髪を手で押さえながら答える、目の前の人。

 ……っ。

 美しくて、思わず息を吞んでしまう。



「日焼け止めクリーム、塗ってるよ……?」

「……もう、察してよ莉璃羽」