「感謝するなら俺に今日付き合えよ」



「え?」



「妹の誕プレ買わなきゃだけど何買えばいいかわかんねーから、アドバイスくれよ」






困った。


感謝はしてるけど今日は先輩達とお疲れ会なのに…。


と、時計を見て私は目が点になった。



集合時間を30分も遅刻してしまっているのだ!






「ごめん!今日は無理なんだ!先約があって!
今度の土曜日とかどうかな!?」



「夏休み初日か」



「もし誕生日過ぎてなかったらその日だったら1日暇だから!」






妹さんの誕プレなんて下手なのあげられないだろうし、どれくらいの年齢でどんな子かも分からないし時間かけた方がいいだろうしね。



そんな私の提案に一颯くんはこくんと頷く。






「わかった。じゃあ土曜日に駅前な」



「うん!あ!これ私の連絡先ね!
私約束があるからもう行くねー!」






時間が過ぎて急ぐ私は約束を取り付け、連絡先を紙に書いて渡して走り出した。



やばいやばい、折角先輩とお疲れ会できる時間をすぎてしまうなんて失態!!



私はぼんやりしてた自分を叱咤しながらナビを見てトラ先輩の家へと急ぐのだった。