❁ 教室に近づくたび、あたしの心臓が早鐘を打つ。 そして、目的地に着いたころには、緊張が最高潮に達していた。 けれど、委員会室は真っ暗でひと気もない。 あれ? 先輩、まだ来てないのかな? とりあえず、ここで待っておこう。 そう思いながら、委員会室のドアを開けようとすると――。 「あのっ!」 ――中から女子の声が聞こえて、体がビクッとした。 びっくりした……。 だれか先客がいたんだ。 開けなくてよかったと、小さく息を吐くと……。