「ねー紅羽」
「…なぁに」
「おれ、紅羽が好き」
「私もすきだよ」
「ぜんぜん違う」
「え…?」
「大好きだから、ずっと一緒にいよーね」
指切りするみたいに、小指をすくい取られて絡められて、キュッと握られる。
「ずっとずっと、永遠に一緒だよ」
目を伏せた優は、繋がれる小指に口づけた。
それはまるで、誓うような行為。
「紅羽好き、大好き」
「優…」
「紅羽だけがいい」
甘えるように抱きしめられて、囁かれるのは砂糖のような言葉。
「誰にもあげない。紅羽はおれのだから」
執着じみた想いをこの身に刷りこまれていく。
優は私と離れるその寸前まで、ドロリとしたまなざしを逸らすことはなかった。



