「もしかしたらおれたちが逃げ込んだ社になにかあるのかもしれない。たとえば……唐獅子様が苦手なものが置いてあるとか。相容れない神様だとか。あんなふうな拒絶をみせるの、ちょっと違和感あった」


「違和感……」


「うん。だからさ、おれ思ったんだよね。あの社の場所を覚えておいて、万が一唐獅子様に狙われた際の避難場所のひとつにしちゃえばいーんじゃないかって」




優の提案は一理ある。
なにもせず、ただ闇雲に逃げるよりずっといい。
ただ……




「でもそれって私たちを守ってくれた善良な神様を利用することになるんだよね。いいのかな、そんなの……」




ズキズキと痛む良心を吐露すれば、私を見つめていた色素のうすい瞳から光がスゥ…と消えた。



その瞬間、恐ろしい既視感に襲われる。