軽快な笛の音と、不規則な鉦の音。
それらが追うように太鼓に交わり、ひとつのメロディーとなって私の鼓膜を揺さぶった。
なんともいえない奇妙な節。
聞いたことのない囃子だった。
「なにこれ…お祭りなんてやってたっけ?」
つぶやいて、首を振る。
いやそんなわけない。
村の祭りが開催されるのは8月の下旬。
夏休みの終わりごろだ。
お囃子の練習だってまだ始まっていない。
なにより…今聞こえる囃子は村の祭りのものではない。
幼い頃から耳に染みついているから、聞き間違えるはずがなかった。
じゃあ──この囃子の音は一体なに?
まるで金縛りにあったように動けなかった。
すると、今度は別系統の音が聞こえてくる。



