『幼なじみ』と言っても、この狭い田舎にあるただ一つの高校に通う私たちは、大体が幼稚園から一緒だ。



だからここに在学しているほとんどの生徒が幼なじみのようなもの。



男も女も関係なく、みんな仲が良い。




その中でも私は、冴を含む3人の幼なじみと行動を共にすることが常だった。







「なぁなぁ紅羽、夏休み何する?」

「私は勉強かな。一応受験生だしね」



目をキラキラさせているなか悪いけど、私には県外にある大学に進学し、医療を学びたいという夢があるんだ。



今年の夏は、例年のように遊んではいられない。



「えー、つまんねーの」



不満気に唇を尖らせる冴。
そんな顔されてもこればかりはしかたない。