冴は昨日の様子が嘘みたいにキラキラとした笑顔を放っている。
まるで別人のよう。




「どうしたの?いつもの神社で待ち合わせでしょ?」




そう問うと、冴は「あー……」となにか言いにくそうに頭を搔いて視線をずらす。
その大きな瞳は私ではなく、なぜかお父さんに向けられた。




「おじさんすんません。紅羽と2人にしてもらっていーっすか?」




唐突な発言だ。
口を出す間もなく、お父さんが私の方をニヤリと見て




「紅羽……朝からお熱いのもいいが、ほどほどにしとけよ?」




とだけ言い残してそろそろと退散してしまった。