私は、唐獅子様の言い伝えを
「怖い作り話」と信じていた。



つまり本気にしていなかったのだ。
その存在は昔の人の空想、あるいは寓話的な類なのだと。
伝承などそんなものである。



しかし、いざこうして、供物などという生々しい姿を目にした今。




唐獅子様は──本当にいるんじゃないか。




なんていう、このうえなく恐ろしい現実味が足元からじわじわと侵食し、この身を固くさせた。




「なんか……怖くなってきちゃった。はは……」




恐怖を誤魔化すように笑えば、それを見越した都がすぐさまそばにきて私の手を握ってくれる。