祠を見やると、その疑問の正体に気づく。
あきらかにおかしい。
その事実だけが、言葉を置いて脳裏を貫いていった。
「いや、無かったよ」
優が言う。
無機質なトーンがこの空間にまとわりつく違和感に拍車をかけていく。
「なんか…変だね」
おもむろに膝をついた都。
理知の浮かんだ双眸が、祠周辺を眺めた。
「この祠、無理やり表面に出されたみたいだ」
そう、そうなのだ。
祠の裏手にある木々が、ここだけ抉られたように伐採されている。
第一、朝ここを通った際はこんなふうになっていなかった。
至って普通の林道の一部として息づいていたはずなのに。
「まるで…ずっとここにあったみたい」
濃緑の木々に隠れて、ひっそりと。



