「………わかったよ」
溜めて溜めて、かなり不服そうではありながら、渋々と納得してくれた。
寂しさを滲ませた瞳に胸がツキンと痛む。
「ありがとう、冴」
こぼれるように言う。
うるさくて元気な冴だけど、蓋を開ければ誰よりも寂しがり屋。
そんな内面を知っているからこそ、仕方ないと思いつつ悪いことをしている気持ちになる。
勉強を頑張って、大学に合格して。
来年の夏は絶対にみんなで過ごすんだ。
「そういえば、私は進学だけどみんなは就職なんだね。都なんか頭良いのに意外…」
都を見やれば、その目はどこか遠くを映していた。
「まあね。進学も考えたけど、この村はいい所だから離れる理由もないかなって。公務員試験でも受けて村の役所にでも勤めようと思ってる」
「そっか。都ならきっと余裕で受かっちゃうね」
頑張れ、と付け加えれば、都は穏やかな笑顔を返してくれた。
とはいえ、内心ちょっともったいない気もする。
お世辞じゃなく都は本当になんでもできちゃう人だから。
もっと活躍できる場所があるんじゃないのかなって。



