見慣れたやりとりを一瞥してから、八尾に向き直る



「ねぇ八尾、冴ってそんなにおバカなの?テストの結果とか恥ずかしがって教えてくれたことないんだよね」



テスト返しの時も、冴は結果を見たらそっこーで用紙をぐしゃぐしゃにして捨ててしまう。



試験勉強だって私たちとではなく八尾とふたりでやっている様子で、どうしてなんだろうと疑問と寂しさを抱いていた。



「冴なんて見てのとおりだろ。紅羽にカッコ悪いトコ見せたくないとかいう単純バカ」


「カッコ悪いなんて…べつに思わないんだけどな」



人の魅力は頭の良さだけで決まるわけじゃないし。



私は冴のおバカだけど真っ直ぐなところが好きなんだけどな。



「冴は意地っ張りでおもしろいね。勉強くらいいくらでも教えるんだけど癪って言われちゃなぁ…」


「ほんと、なにを恥ずかしがってるのか。私なんて逃げも隠れもせず都の前でおバカ晒してるっていうのに」



私と都は、眉を下げて顔を見合わせた。