「おう、おつかれ。休憩か?」


「まあな。で、なんの用だ」


「今日もお前ん家行っていいか?次のテスト、社会科全般ヤバくてよ」


「別にかまわねぇけど……学年一位様がいるのになんで毎回俺に頼るんだ?」




八尾が視線を都に向ける。
それに冴はケッと顔を歪ませた。




「こいつに教わるのはなんか癪なんだよ。それにお前だってバカじゃねーだろ。オレにはお前くらいがちょうどいいんだ」


「いろんな方向にケンカ売ってんだよ。優や紅羽だっているじゃねえか」


「優は論外だ。紅羽は……」




冴が私を振り向く。
なにか言いたげなまなざしに謎の緊張感が走った。




「紅羽には、アホなところ見せたくねーの!」




ぷいと目をそらした冴は、いじけたような声を出した。



そしてつい先ほど論外扱いされた優が小さく吹きだす。




「おい優なに笑ってんだ!」

「いや笑うなっていうほうが無理でしょ」




笑い顔を隠しもしない優に冴が「てめぇ!」と噛みつく。



教室で見たようなじゃれあいがまた始まった。