「あ?なんで鳴海が紅羽といんだよ」




いの一番に私を迎え入れた冴が、鳴海くんを睨んだ。



なんで冴はこんなに威嚇モードなの?




「そこで会ったついでに話しながら来たんだ。大切な紅羽ちゃんを無事送り届けたんだから、そんなに怒らなくてもいいじゃないか」


「取って付けたようなこと言うな。本当は紅羽につきまとってたんだろ」


「つきまといの代名詞みたいな冴くんに言われてもなぁ」


「違う、とは言わねえんだな?紅羽となんの話をしたんだ、一字一句教えろ。おまえの言葉にどんなトーンでどんな表情でどんな反応をした。吐けよ。オレが知らない紅羽の時間なんていらねぇからよ」




さっそく言い合うふたり。
普段見ている優とのじゃれあいとは違い、どことなく険悪な空気が漂っている。



川栄くんに告白された、なんて漏らしたあかつきには、きっと冴は烈火のごとく怒る。




「いい加減にしろって。口を開けば喧嘩しかできないのか」




あきれたようにやってきた都が噛みついている冴をベリッと剥がす。
そして「紅羽はこっちおいで」と私を背中に隠した。




「鳴海、紅羽のことはどうもありがとう。もう行っていいよ。こいつは俺が押さえとくから」

「ん゛ーー」




都に首根っこを掴まれながらも、尖らせた目尻をゆるめない冴。



そのとき、うしろからひとつ声が飛んできた。




「いーじゃん、鳴海も仲間に加えよーよ」