「おまえってさ、すげぇかわいいの」
「え……」
「花に水やりしてるときの横顔。めちゃくちゃかわいいんだ。知らなかったろ?」
川栄くんも、私の横顔を見ていたなんて。
「この黒い髪からたまに見える白い首とか、変になりそうなくらい綺麗でさ……。誰にも知られたくないっておもってたのに、いきなり短くしちまうし」
責めるような、恨めしそうな、けれど熱のこもるじっとりした視線を注がれる。
あとずさっても校舎の壁に追い詰められるだけだった。
「イラついた。ごめん。山岸の綺麗なトコが他のやつらの前で無防備に晒されてるの……ほんと耐えられないんだ」
川栄くんの指が、私のうなじをなぞる。
「俺だけのものにするには、どうしたらいい?」
迫られる。
形の良いくちびるが、傾けられた。
ま、まずい。
そうおもっても、体が動かなくて。
ついに重なる、その寸前だった──
「ごめん、その子はダメ」



