「となると……まずは手っ取り早く大人たちに話を聞くとか?」


「ムダでしょ。口伝すべきこと以外どーせなにも知らないよ」




私の提案をあっさり切り捨てる優。



まぁたしかに、唐獅子様について知るべきこと以外は、大人たちも手を出していない印象はある。




「じゃあ他に詳しそうな人は……」


「唐獅子様はお山の幌ノ中神社に祀られてるよね。それなら、宮司さんに話を聞けないかな」


「それだ!……でも私、一度も行ったことないなぁ。どんな神社なんだろう」




都が口にした、裏山のてっぺんにある幌ノ中神社。



稜線に沈む太陽を背景に真っ赤な鳥居がそびえ立ち、いつも私たちのことを見下ろしている。



夕暮れ時の学校帰り、振り向いたときに視界に映るその姿はどことなく不気味なんだよね。



ちなみに村人たちは普段から土地の中央にある紺平神社というところにお参りしているので、幌ノ中神社には滅多に行かないんだ。




「ま、行ってみりゃわかんだろ。あとは書物なんか調べてみてもいいかもな。風土記とか郷土史とか、載ってんじゃねぇの?」

「おまえにしてはマトモな提案だね。てか冴って風土とか郷土とか、そーいうワード知ってるんだ意外〜」

「んだと?!バカにしてんのかコラ!」

「いっきに語彙力下がったじゃん、それでこそ冴だよねー」

「優ぶっとばす!ぜったいぶっとばす!!」




煽り煽られ言葉を交わすたびに噛みつき合うふたり。
すぐに都が立ち上がり2秒で黙らせた。